犬鷲桃はゆるがない

小嶋ララ子さん著「犬鷲桃はゆるがない」は、度の過ぎた兄弟愛とそれを引っ掻き回す謎の少年を描いた少女漫画です。

この漫画の面白いところは、あらゆる設定や描写が飛び抜けて現実離れしているところです。まず主人公の犬鷲桃は2人の兄を慕いすぎて離れたくないあまり、海外での訓練で培ってきた密偵力・奇襲力を生かし、物騒な武器を持って兄に近づく女子たちを片っ端から攻撃していくという過激な生き方をしているところが、少女漫画の主人公として大きく枠を外れていると感じます。兄たちも同様、妹の桃への溺愛っぷりと妄執っぷりが常軌を逸していて、可愛らしい絵とは裏腹に各キャラクターの内面がどろどろとしていて過激なところが目立ちます。

最初はこのはちゃめちゃとも言える設定についていけない部分もありましたが、読み進めていくうちにその世界観にすんなり入り込んでしまっていました。そんな歪んだ兄弟愛が、突然現れた、へらへらとした謎の男子に引っ掻き回され、兄妹ともども翻弄される様子が笑いを誘います。「こんなめちゃくちゃな漫画、見たことない!」というところが、この漫画最大の魅力です。おすすめ⇒事故物件×留学生~四畳半の不可思議な情事~

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